「認知症のかたとのパン作り」新しいことを覚えづらい認知症のかたとのパン作り体験です。材料の準備はあらかじめしておき(バタバタと準備している様子をお見せすると、ご本人も混乱したり落ち着かない場合があり)、認知症の方には「困っているので力を貸してくれますか?」などと声かけでお誘いします。
実際は、大きめのボール内の材料をヘラで混ぜていただくとか、生地をこねるといった単純作業をお願いします。
やってみると、ほとんど丸めたり成型したりと粘土遊びのようで、最終的なフォローはこちらで必要ですが、集中してやってくれることが多いです。大事なのは、「さすが!うまい」、「手つきが違うね」など褒め上げ、認知症のかたにも役割があること、居場所があることをなんとなくパン作りから感じてもらう事かと思います。
そして、生地から得られる効果も。発酵していく生地の温かみのあるフワフワした感触。幼少の遊びのように笑い声さえ出てきました。歌を歌いだすことも。楽しいと体が反応するのですね。更に、その生地でパンを焼きおやつの時間に食べましたが、「美味しい」「初めて食べた」などなど笑顔が見られました。
一緒に作ったことを添えてお出しすると笑顔もこぼれます。ただ、この認知症で知っておいていただきたいのが・・・。
数分後に、今日のおやつはなに食べたっけ?と聞いても「まだ何も食べてないよ」、パンを作りましたねと言っても、「私は作ってないよ」等の言葉が返ってくるのも、認知症の場合仕方がないことです。
「さっき食べたじゃない」などはご法度。そうだよね?、何も食べてないよね位でサラリと流しましょう。一瞬の笑顔のためのパン作り、機会があればぜひお試しください。