認知症患者への対応の仕方では、主に「老い」について、個人的な意見を書いてみました。
このページでは、具体的に認知症が進んだ方との上手な接し方について書いてみます。

当サイトをご覧になっているということは、身近な方の認知症症状に悩んでおられるご家族や介護者の方が圧倒的に多いのではないかと思います。
さて、あなたの目の前にいらっしゃるお年寄りは、不安そうにキョロキョロしたり無表情になったりすることが増えていませんか?怒りっぽくなった方もいらっしゃるでしょう。突然パニックを起こしたような方もいらっしゃるかと思います。

人によって普段の様子はさまざまですが、介護者が気をつけておきたいのは、自分のペースではなく、相手のペースで接すること。意外と気が付かないものですが、普段私達が話している言葉や会話のペースは、ほとんどのお年寄りの方にとっては速く感じるようです。

歩く速度も、物を動かす速度も、話す速度も、歳を取るにつれてゆっくりになります。
身体的な衰えを考えると当然のことではありますが、我々の生活スピードとお年寄りの生活スピードはかなり違うものです。

元気な私たちがお年寄りのスピードに合わせるというのは、始めはもしかしたらストレスを感じるかもしれません。でも、その分高齢の方は安心してくれます。私達がスピードを落とすだけで、相手は癒しを感じてくれるのです。

何かを話しかけてこられたら、しっかりと目を見て同じ速度でお話します。
そして作りものでも構いません。笑顔をたくさん作ってみてください。これだけで随分と相手との距離が縮まります。

認知症が進んで何を言っているのかさっぱり分からないこともあるでしょう。
そんな時も、相槌を打ちながら最後まで聞いてあげてください。

「そうなの」「そうよね」「そうかもしれないよね」など、決して相手を否定しない言葉で相槌を打ってみてください。それだけで、不安だらけの認知症の方の心が驚くほど穏やかになることが多々あります。
そうして、険しい顔をしていた認知症の方の顔が穏やかになると、不思議と自分の心も癒されている事に気が付きませんか?

何かの雑誌で読みましたが、お年寄りの「できること」を見つけて褒めようと言う対処法や、赤ちゃんのように接すると言うケースにもたくさん遭遇しますが、個人的にはそれは違うのではないかと思っています。

認知症が進行していても、亡くなる直前まで自尊心は皆さんがお持ちです。自分の子供や孫のような世代の人間に子供のように扱われるのは、一体どんな気分でしょうか?あやすように接するのと、個人を尊重すると言うのは全く別のものだと思います。

認知症が進み、会話が成り立たないからと言って、何も分かっていないのでは決してありません。論理的な思考ができないからといって人間性が失われているわけではないのです。大切に扱われなければ傷つきます。誰かの笑顔を見れば嬉しくなります。優しく話しかけられれば安心します。

認知症が進むことは人格の崩壊だと言われることもありますが、人間らしさや尊厳は決して崩壊しません。寿命を全うし、亡くなるその時までどんな人でも尊重され、大切に扱われる権利があるのです。