認知症の祖父の急速変化に戸惑い

現在、おそらく認知症になり始めの祖父(89歳)がおります。私は、幼いころからとてもかわいがってもらってきたので、祖父と過ごせる時間が短くなりつつあることを感じ、悔いのないように過ごしたいと考えるようになりました。

祖父は、80代前半まで仕事をしており、健康面でもすぐに命に関わる病気があるわけでもなく、孫から見ても頭脳明晰でプライドが高くて何でも自分でやりたいという人です。頭も身体も元気だった祖父が、この1ヶ月で急速に衰えました。

1週間ごとに会うのですが、毎回、あまりの衰えのスピードに、少し悲しくなっています。食事の最中に突然自分がどこにいてなにをしているのかわからなくなったり、働き始めて数年経つ孫の私が学生だと突然思ったり、仕事で使用していた器材に対して○○(本当は存在もしていない名前)があるはずだから持ってこいと怒り始めたり、脈絡もなく理解不能なことを言ったり、簡単な作業が理解できなくなりました。

そして、身体も、立ち上がること、歩くこと、着替えること、お箸を使うこと、これらが異常に遅くなったり、できなくなったりしつつあります。これらのことが、この1ヶ月の間に、急速に起こり、私自身も家族もとても戸惑っています。

今はよい薬もあるということで、本来であればすぐに専門の病院へ行った方がよいかと思いますが、長年自分で仕切って仕事をしてきた祖父にどう話してよいか迷っています。言動がおかしな時もありますが、はっきりしている時も多いので、どう対応していくか難しいところです。

二人きりで暮らす祖母は、そんな祖父に苛々が募り、祖父は祖母に捨てられることを恐れていて、なんとか穏やかな方法があればと考えている今日この頃です。

私自身は、祖父と二人でゆっくり話してみると、できなくなっていることは多いけれども、祖父はそうは感じておらず、以前よりもゆっくりと流れる祖父の時間の中で生きているのだなと感じますし、祖父そのものはできないことやわからないことに苛立ちや葛藤はあまり感じていないように見えます。

私が祖父の時間や祖父の見方にお邪魔すれば、二人とも葛藤を感じることなく穏やかであることを度々感じます。そうした祖父を見ながら、今後、どのようなことが起ころうとも、たとえ私のことを忘れる日がきても、祖父が最も穏やかでいられるように過ごそうと固く決めました。

祖母の負担が少しでも減るよう週末はサポートし、祖父がけがや徘徊で危なくないように最善を尽くしながらも心は自由でいてもらいたいです。