認知症の代表的な症状に、幻覚が挙げられます。
特に多く見られるのは、虫や動物、見知らぬ人などが現れて「気持ち悪い」「怖い」などの不安感を訴えるような例です。幻覚が現れやすい時間帯などもだんだんと把握できるようになってくるかと思います。
夕方や夜、寝起きや体調不良の時には、特に幻聴や幻覚が現れやすいようです。
このような時に介護者が意識しておきたいのは、お年寄りにとっては生々しく見えたり聞こえたりしているという点です。ついつい言ってしまいがちなのは
「そんなものどこにもないでしょ」「私達にはなにも聞こえないわよ」など、幻覚や幻聴を否定したり叱るような言葉だったりしますね。
しかし、お年寄りにとっては気持ち悪かったり不安になるものばかりです。
格好だけでかまいませんので、虫が見えるなら追い払う仕草をしたり、人が見えるなら出て行くように言ったり、物を片づけたりと、お年寄りの訴えに応えてあげられると理想的です。
また、話しを聞いてあげるだけでも随分と不安感は落ち着きます。
「昨日の夜、部屋に人が入ってきて・・・」という話であれば、「そうだったの 怖かったでしょう。今晩から戸締りをちゃんと確認するからね だいじょうぶよ」など、認める、対策を提案する、安心させる といった言葉で対応してみてはいかがでしょうか。
自宅に幻覚や幻聴を誘発するものがある場合、それを取り除くことも必要です。
照明を今より明るいものに変えるのも有効です。