認知症 薬の種類

2011年(平成23年)、認知症(アルツハイマー型)の薬として新しく3種類の新薬が承認されました。 メマリー、レミニール、イクセロンパッチ(リバスタッチパッチ)です。

これまで、認知症の薬といえば「アリセプト」の一種類のみでしたので、治療の選択肢が増えてきましたね。

ただし、どの薬もアルツハイマー型認知症を根本的に治療できるというものではなく、症状を緩和させ進行を遅らせるのみという点は共通しています。

ここからは少し専門的な話になりますが、アリセプトは、AChE阻害薬と呼ばれ、簡単に言うと記憶物質を増強させる作用があります。コリンエステラーゼ阻害薬やアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(AChE阻害薬)とも呼ばれています。

この薬の有効率は約20~30%と言われていますので、残念ながら全ての人に効果が出るというわけではありませんが、思考力や記憶力、見当識障害を改善させ、機能の低下を防ぐ効果があります。
しかし、薬で一旦良くなった症状をずっと維持するのは非常に難しいのも事実です。

今回新しく承認されたレミニール、イクセロンパッチ、リバスタッチパッチも
アリセプトと同じAChE阻害薬です。

それぞれの違いとしては、アリセプトは認知症の初期の段階から重度の段階まで幅広く対応できるのに対し、レミニールはAChE阻害薬の効果に加えてアロステリック増強作用を併せ持つという、従来の薬剤にはない特徴があります。アロステリック増強作用とは、簡単に言うと神経伝達物質の分泌を促す効果のことを指します。この薬は、初期から中期のアルツハイマーに適応します。

イクセロンパッチとリバスタッチパッチは、皮膚に貼るタイプの薬剤です。服薬を忘れてしまう方や、嚥下機能(飲み込み)が低下してしまった方にとってとても服薬しやすい形状です。また、家族が服薬を管理する場合にもかなりの負担軽減につながります。
貼る場所は、背中上部や上腕部、肩、胸などです。