アルツハイマー型と違い、あまり知名度のないこの病気の初期症状は「もの忘れ」とは少々異なるという特徴を持っています。初期の段階では物忘れはあまり目立たず、幻視や妄想、異常行動から始まるケースが多く見られるため、家族など周囲の人間は初期の段階で認知症とは気が付かない事もあります。
レビー小体型認知症の幻視はとても生々しいもので、実際にはそこに存在しない人物やネズミなどがすぐ近くにいるような感覚を持ちます。子供がベッドにもぐり込んできた、壁を虫が這っている、部屋に大人が大勢どかどかと入ってきた、など錯覚とは思えないようなリアルな幻覚を見ます。また、それらの症状は改善されたように見えたり悪化したように見えるなど、日によって症状の出方に変動があることも大きな特徴の一つです。
一日の時間帯によっても、意識がはっきりしている時と、ボーっとしている時が入れ替わりに起こるのも特徴として挙げられます。
そのうち、物忘れのような認知症の症状が現れ始め、運動障害として小股で歩くようになったり、体が硬くなる、動作がゆっくりになる、手足がふるえる、猫背になるなどのパーキンソン病と似た症状も出始めるようになります。
眠りの浅いレム睡眠時に、体を大きく動かしたり大声を出すこともあります。自律神経症状も現れるため、失禁や便秘、立ちくらみなども起こります。また、気分がふさぎ込み、うつ症状が現れることも。若いころに発症すると、パーキンソン症状が強く出るケースもあります。