認知症における周辺症状(BPSD)は行動・心理症状とも呼ばれます。

認知症の中核症状は脳の細胞が壊れることで直接的に起こる記憶障害や見当識障害、認知力の低下などを指すのに対し、BPSDは個人の性格や生活環境、人間関係や習慣などさまざまな要因により引き起ります。

BPSDの症状として、暴力・暴言・昼夜逆転・不眠・興奮・抑うつ・妄想・厳格・せん妄・徘徊・もの取られ妄想・弄便・失禁などがあります。介護者が認知症患者の対応に困るのは中核症状よりもBPSDのほうが多いと言われています。

BPSDへのこれまでの対応は抗不安薬や抗精神病薬などを使用し、薬物で抑え込むのが一般的でしたが、薬の副作用がさらにQOLの低下を招く例も多いため最近では音楽療法や回想療法などの非薬物療法による症状の改善が勧められるようになってきました。また、副作用の少ない漢方薬も活用されるようになっています。